目次
児童福祉法とは
児童福祉法とは、児童福祉を保障するためにあらゆる児童がもつべき権利や支援が定められた法律です。
児童福祉法が制定されたのは、戦後間もない1947年です。 戦争により親を亡くした戦争孤児たちは家もなく、路上での生活を余儀なくされていたなど、戦後の子どもの健やかな成長と最低限度の生活を保障するため、児童福祉法が制定されたのです。
総則
第1条
すべて児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保護されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保護される権利を有する
第2条
- すべて国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最前の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない
- 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。
- 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う
第3条
前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原則であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたって、常に重視されなければならない
国及び地方公共団体の責務とは
国及び地方公共団体は、児童が家庭において心身ともに健やかに育成されるよう、児童の保護者を支援しなければならないとされています。
国 |
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国は、市町村・都道府県の業務が適正かつ円滑に行われるよう、児童が適切に養育される体制の確保に関する施策、市町村・都道府県に対する助言、情報提供等を行う |
都道府県 |
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都道府県は、市町村の業務が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言や適切な援助を行うと共に、専門的な知識・技術や広域的な対応が必要な業務を適切に行う |
市町村 |
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市町村は、基礎的な地方公共団体として、身近な場所における支援業務を適切に行う |
児童福祉法における児童、妊産婦、保護者の定義
児童
児童とは、満18歳に満たない者をいい、児童を次のように分けます
乳児 |
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満1歳に満たない者 |
幼児 |
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満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者 |
少年 |
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小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者 |
妊婦
妊娠中または、出産後1年以内の女子
保護者
親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者
その他
第六章 審査請求について
市町村の障害児通所給付費又は特例障害児通所給付費に係る処分に不服がある障害児の保護者は、都道府県知事に対して審査請求をすることができる。
第八章 罰則
児童福祉法で制限されている規定や禁止されている行為などを行った場合の処罰がまとめられているのがこの罰則です。
児童福祉法によって定められている児童相談所とは
児童相談所とは子どもに関するあらゆる問題の解決のために設置される専門的な相談機関です。児童相談所には、スタッフとして児童福祉司(ソーシャルワーカー)、児童心理司、医師などの専門家から構成され、すべての都道府県と政令指定都市に設置されています。詳しくは下記の厚生労働省ページから各自治体の設置情報をご覧ください。
児童相談所は、18歳未満の子どもに関することであれば、本人・家族・学校の先生・地域の住民等、どんな立場からでも相談することができます。相談することで、周辺の機関との連携によって必要な援助を行っていきます。
相談される内容は、親の事情や子どもの問題行動等による子育ての悩み、障害児福祉、虐待の対応などの問題などが主になっています。それらの問に対して、専門家による助言や治療の補助、さまざまな手当ての案内などの支援を行います。いきなり学校や病院に相談することは気が引けるが自分だけでは解決が難しい時、誰かに相談に乗ってほしい時には、児童相談所に相談してみることをお勧めします。
参考厚生労働省:全国児童相談所一覧
児童福祉法によって定められている福祉施設
助産施設
保健上必要があるにもかかわらず、経済的な理由により入院助産を受けることが難しい妊産婦が入院し助産を受けることのできる施設
乳児院
保護者がいない、または保護者の事情で家庭での養育ができない乳児(特に必要のある場合には、幼児を含む)を預かって養育する施設
児童養護施設
保護者のいない児童(特に必要のある場合は、乳児を含む)、虐待を受けている児童その他環境上養護を要する児童を入所させ養護し、あわせて退所した者に対する相談などを行うことを目的とする施設
児童心理治療施設
家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となった児童に、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を行う施設
児童自立支援施設
不良行為を行ったか、またはその恐れのある児童及び家庭環境等の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所または通所させて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、自立を支援する施設
母子生活支援施設
配偶者のいない女子またはこれに準ずる事情にあたる女子及びその者の監護すべき児童を入所させて保護し、自立の促進のために生活を支援する施設
サービスの内容 |
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自立を支援するための、就労・家庭生活・児童の教育等に関する相談や助言 |
施設長は、個々の母子について自立支援計画を策定する |
ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者の一時保護や相談 |
自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)
義務教育を終了し、児童養護施設を退所した児童又は都道府県知事が必要と認めた者に対し、自立援助ホームにおいて、日常生活上の援助、生活指導、就業の支援等を行う。入居定員は、5人以上20人未満
対象者 |
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義務教育を修了した20歳未満の児童等 |
就学者自立生活援助事業 |
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大学等に就学中の場合は、満20歳に達したその日から満22歳に達する日の属する年度末まで、児童自立生活援助を行うことができる |
里親・ファミリーホーム
里親
里親とは4人以下の要保護児童を養育することを希望する者で、都道府県知事が児童を委託する者として適当と認める者をいう。里親となることを希望する者に配偶者がいなくとも、都道府県知事が認めれば里親として認定される。
養育里親 |
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要保護児童を養育することを希望し、養育里親研修を終了し、養育里親名簿に登録された者 |
専門里親 |
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特に支援が必要な要保護児童が対象 |
①児童虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた児童 |
②非行等の問題を有する児童 |
③身体障害、知的障害、精神障害がある児童 |
養子縁組里親 |
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養親となることを希望する者のうち、養子縁組里親研修を修了し、養子縁組名簿に登録された者 |
親族里親 |
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次の要件に該当する要保護児童が対象 |
①該当親族里親に扶養義務がある児童 |
②児童の両親その他該当児童を現に監護する者が死亡、行方不明、拘禁、入院等の状態となったことにより、養育が期待できないこと |
ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)
保護者のいない児童または保護者に監護されることが不適当であると認められる児童(要保護児童)に対し、養育に関し相当の経緯を有する者の住居(ファミリーホーム)において養育を行う事業。定員は5〜6人
まとめ
このコラムでは子育てをしている保護者であったり、子どもに関わる多くの人を対象に児童福祉法について少しでも関心を持ち知ってもらえるようわかりやすくも法的根拠を大切に作成しています。
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