「在宅重度障害者手当」の知っておきたいポイント

author:弁護士法人AURA(アウラ)
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日本には、障害を抱える方々やその家族が経済的に支援を受けることができる制度が複数存在します。その中でも注目すべきは、「在宅重度障害者手当」という支援です。この制度は、障害者が自宅で生活するために必要な援助を提供するために設けられています。しかし、地方ごとに異なる要件や支給額があるため、詳しく知っておくことが大切です。このコラムでは、在宅重度障害者手当について詳しく解説していきます。

障害に関する支援制度

代表的な経済的支援の中に、障害児・障害者とその家族が受けることができるものが5つあります。

  1. 障害年金
  2. 障害児福祉手当
  3. 特別障害者手当
  4. 特別児童扶養手当
  5. 在宅重度障害者手当

最初の4つ(1.から4.)は法律で規定されており、国内どこに住んでいても同じ支援が受けられます。それに対し、5.の在宅重度障害者手当は地方自治体ごとに異なる制度で、名称や支給条件、支給額が違います。

在宅重度心身障害者手当とは

在宅の重度心身障害者(児)の経済的、精神的負担の軽減を計るため手当を支給するものです。

支給時期と支給金額

支給月
年に2回、9月と3月に支給

在宅重度障害者手当は年に2回、9月と3月に支給されます。支給額は、のが支給されます。

支給額
支給される月額は5,000円です

支給される月額は5,000円です。この手当は、障害者やその家族の生活を支援し、必要な費用を軽減するためのものです。地域や条件によって支給額が異なる場合もあります。

制度の名称と範囲

在宅重度障害者手当は地方自治体独自の制度で、都道府県や市町村のレベルで定められています。したがって、名称も微妙に異なります。例えば、以下のようにいくつかのバリエーションがあります。

  • 在宅重度障害者手当
  • 在宅重度障害者等手当
  • 在宅重度心身障害者手当
  • 在宅重度知的障害者・ねたきり身体障害者福祉手当
  • 在宅心身障害者手当
  • 心身障害者福祉手当
  • 在宅重度重複障害者等手当
  • 市民福祉手当

支給額のバリエーション

在宅重度障害者手当の支給額も地方自治体によって異なりますが、月額5000円から1万円の範囲が多いようです。支給される条件も地域によって違い、重度の障害者のみ対象の場合もあれば、軽度や中等度の障害者にも支給されるケースもあります。支給額は、障害の程度によっても変動します。手当は通常半年や4か月ごとに支払われます。

東京都の例

在宅重度障害者手当の支給額は一般的に5000円から1万円ですが、東京都は特異的で、月額6万円の手当を支給しています。ただし、この高額支給は条件があり、以下の場合に限られます。

  • 重度以上の知的障害かつ行動障害
  • 知的障害と身体の重複障害
  • 重度の四肢不自由

このように、障害者手当の中でも在宅重度障害者手当は地域ごとに異なる制度で、支給額や条件が変わることを覚えておくと良いでしょう。

在宅での支援を考える

障害のある方やその家族が受けることのできる経済的支援には、5つの種類があります。その中でも、在宅で重度な支援が必要な方を対象とした「在宅重度障害者手当」について、詳しく解説します。

どういう人が受けられるの?

「在宅重度障害者手当」を受けるための条件は、地方自治体によって異なりますが、共通する点もあります。まずはその要件について見てみましょう。

在宅重度障害者手当の対象者と条件の参考例

在宅重度障害者手当の支給対象者について詳しく説明します。この手当を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

障害要件
  • 下記の手帳のいずれかを持ち、市内に住所を有する65歳未満の方
    • 身体障害者手帳 1・2級の所持者
    • 療育手帳 ○A、A、Bの所持者
    • 精神障害者保健福祉手帳 1・2級の所持者
  • ただし、64歳までに受給資格を認定された方や令和4年9月30日までに受給資格を認定された方は、65歳以降も引き続き受給することができます。
  • また、本人が住民税課税の場合は支給が停止されます(毎年8月に課税状況の確認を行います)。

これらの条件を満たす方々が在宅重度障害者手当の支給対象となります。

年齢要件

次の条件(1)から(5)のうち1つでも該当する方が対象となります

  1. 65歳よりも前に、身体障害者手帳の交付を受けたことがある方
  2. 65歳よりも前に、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けたことがある方
  3. 65歳よりも前に、療育手帳の交付を受けるなど、児童相談所や更生相談所などにおいて知的障害者と判定された方
  4. 65歳よりも前に、療育手帳の交付を受けるなど、児童相談所や更生相談所などにおいて知的障害者と判定された方

これらの条件に当てはまる方々が、在宅重度障害者手当の対象となります。一つでも該当する場合、この手当の支給を受ける資格を持つこととなります。

家で暮らしていることが前提

「在宅」の名前からもわかる通り、施設に入所している方は対象外です。ただし、地方によっては微妙に異なる場合もあります。病院での入院によって支給を受けられる場合もあれば、長期入院の場合は支給が停止する場合もあります。各自治体の詳細な要件はホームページなどで確認できます。

障害の程度による差

支給される金額や条件は地域によって違います。重度な障害者に限定する自治体もあれば、軽度や中等度の障害者にも支給する場合もあります。障害者手帳の等級を基準にすることが多いようですが、全ての地域で適用されるわけではありません。

年齢や所得に制約があることも

受給には年齢制限や所得制限があります。例えば、年齢が65歳未満の方を対象とする自治体が多いです。また、所得が一定の範囲を超えると支給が停止する場合もあります。この基準も地域によって違います。

手当を受ける前に知っておくべきこと

在宅重度障害者手当には各種制限があります。たとえば、他の国の手当を受けている場合には支給されないこともあります。地域ごとに異なるため、詳細は地方のホームページなどで確認しましょう。

改善を求めて

地方によって在宅重度障害者手当の支援内容に違いがあることが分かりました。住んでいる地域の制度がどうなのか、他の地域と比べてどうなのかを把握し、より良い支援を求めるための行動を考えてみましょう。地域の行政機関や地方議員に声を届けることも大切です。

まとめ

在宅重度障害者手当は、障害者とその家族の生活を支える重要な制度の一つです。しかし、その支給条件や金額は地域ごとに異なるため、自身や身近な人がこの支援を受ける際には、地方自治体の詳細な情報を確認することが大切です。自分や大切な人の利益を守り、よりよい生活を送るために、この制度についての知識を深めていくことをおすすめします。


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