障害者グループホームは、障害のある方々が共同生活を営みながら、日常のサポートを受ける福祉サービスです。食事から生活相談まで、必要なサポートを提供しながら、自立した生活を目指します。このコラムでは、障害者グループホームの事業内容や特徴を詳しく解説し、その素晴らしさに迫ってみましょう。
目次
障害者グループホームとは
障害者グループホームは、障害者の自立を支援するための福祉サービスであり、共同生活援助として提供されます。
共同生活援助とは?
共同生活援助とは、障害者総合支援法に定められた障害福祉サービスの一つです。障害者が共同生活を営むべき住居において、夜間を中心に相談、入浴、排せつ、食事などの日常生活上の援助を提供することを意味します。
2024年改正!共同生活援助の新たな定義とは
2024年4月1日以降の改正後は、さらに、「居宅における自立した日常生活への移行を希望する入居者につき、当該日常生活への移行及び移行後の定着に関する相談その他の援助」も共同生活援助の範囲に含まれるようになります。つまり、居宅で自立した日常生活を希望する利用者に対して、移行やその後の定着に向けた相談や援助も提供されることになります。
障害者グループホームの種類
利用者は日常生活における様々な活動やサポートを受けながら、地域の共同生活住宅で自立を目指します。障害者グループホームは、主に以下の3つのタイプに分けられます。
介護サービス包括型
- 夜間や休日に介護を必要とする障害者向けのグループホームです。
- 食事、入浴、排せつなどの日常生活活動に伴う介護が提供されます。
日中活動サービス支援型
- 短期入所施設を併設するか、24時間支援体制で運営されるグループホームです。
- 日中の活動サポートや日常生活の支援だけでなく、相談にも乗ってもらえます。
外部サービス利用型
- 夜間や休日の相談対応や家事など、日常生活上の支援が提供されます。
- 入浴などの介護は、事業所が委託している介護事業者から受けることができます。
3類型の違いのまとめ
介護サービス包括型 | 日中サービス支援型 | 外部サービス利用型 | |
---|---|---|---|
介護の提供 | あり | あり | なし (外部サービスを利用) |
日中の支援 | なし (行なった場合は加算) | あり | なし |
夜間深夜の支援 | なし (行なった場合は加算) | あり | なし |
障害者グループホームは、障害者の自立を促進し、共同生活を通じて社会参加を支援する重要な福祉サービスとして地域社会に根付いています。
親なきあとの住まいについて
親が亡くなった後の障害者の住まいについて、考えられる選択肢の一つが「障害者グループホーム」です。障害者グループホームは、親などと一緒に住んでいた障害者が、独立して生活するための施設です。
知的障害者などの療育手帳を持っている65歳未満の障害者の約81%が、親と一緒に暮らしているという調査結果があります。(厚生労働省:「平成28年生活のしづらさなどに関する調査 (全国在宅障害児・者等実態調査)」)しかし、親が亡くなったら、障害者は新しい住まいを考えなければなりません。
その際、障害者グループホームが一つの選択肢となります。こうした施設では、障害者が仲間と一緒に暮らしながら、日常生活のサポートを受けることができます。食事や入浴、トイレなどの手伝いがありますし、地域のイベントにも参加したり、日中の活動をサポートしてくれます。
障害者グループホームでは、個々のニーズに合わせたサービスを提供し、利用者が自分の意思で生活できるように支援しています。親亡き後の住まいについて悩む障害者にとって、障害者グループホームは重要な選択肢の一つとなるでしょう。
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共同生活援助の利用対象者
共同生活援助は、障害者総合支援法に基づくサービスであり、以下のような障害を持つ人が利用することができます。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者(発達障害者を含む)
- 難病患者
年齢については、障害者総合支援法の障害福祉サービスは原則として18歳以上の障害者を対象としています。ただし、15歳以上の児童で児童相談所長が利用が適当と認めた場合には、共同生活援助を利用することが可能です。
65歳の壁の問題
「65歳の壁」として知られる問題は、障害のある方が65歳以上になると、介護保険と障害者福祉サービスの選択に悩むことです。介護保険と障害者福祉サービスには、同じようなサービスがある場合、原則として介護保険の適用が優先されるため、多くの65歳以上の障害者が介護保険のサービスを利用します。
ただし、例外的なケースもあり、一部の障害者は引き続き障害者福祉サービスを利用することで、自分らしい生活を送ることができます。現実には、65歳以上で障害者福祉サービスを利用している人は全体の14%程度です。利用者の個別のニーズに応じて、介護保険と障害者福祉サービスのどちらが適しているかを考慮しています。
支援機関や地域の関係者は、障害者が適切なサービスを受けられるように協力しています。このような選択の際には、利用者の状況や希望を理解し、最適な支援方法を提供することが大切です。
障害者グループホームの費用について
障害者グループホーム(共同生活援助)にかかる費用は、次の通りです。利用者が支払う負担と家賃からなります。
- 共同生活援助の利用者負担分
- 食材料費
- 家賃
- 水道光熱費
- 日用品費
- その他(例 インターネット利用料)
特定の条件を満たす場合の補助
特定の条件を満たす場合、利用者負担分や家賃に補助があります。たとえば、生活保護を受けている人や市町村税が非課税の場合は利用者負担が免除されることがあります。また、家賃には1万円の補助がある場合もあります。
支払い能力による差
ただし、生活保護や非課税世帯以外の人は、月額3万7200円を負担しなければなりません。支払い能力によって地域ごとに差があることを覚えておいてください。
要するに、共同生活援助の費用は個人の支払いと家賃で構成されています。条件を満たす場合、補助が受けられることもありますが、支払い能力によって地域ごとに差があることを覚えておいてください。
まとめ
障害者グループホームは、共に支え合い、共に生きる大切な場所です。利用者の個々のニーズに合わせたサポートが提供され、地域社会とのつながりも大切にされています。障害者の方々が自分らしい生活を営むために、障害者グループホームが重要な役割を果たしています。これからも、さまざまな形で障害者の福祉をサポートし、共に暖かい社会を築いていきましょう。
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