DNARってなに?DNRとの違いはなにか?終活を穏やかに迎えるための知識

author:弁護士法人AURA(アウラ)
自分の人生の終止符をどのように迎えるのか、迎えたいのか。
家族の人生の終止符をどのように迎えるのか、迎えてほしいのか?と思いったとき、なるべく心穏やかにその時を迎えたいと考える人は多くいらっしゃいます。
その願いや思いを形にする一つの方法として、DNARに同意するということがあります。

DNARとは?DNRとの違いは?

DNARとは、Do Not Attempt Resuscitationの略で、終末期医療において心肺停止状態になったときに、二次心肺蘇生措置を行わないことを意味します。『心肺蘇生拒否』とも訳されます。

  • Do not Attempt Resuscitaionの略
  • 心肺停止状態になったときに、二次心肺蘇生措置を行わないということです

終末期に当たる時期については、明確な定義があるわけではなく、病状によっても異なります。そのため、余命が数日~数週間、長くても数か月と宣告されているような時期のことです。衰弱した終末期においてこのような蘇生措置を行うことは心身に大きな負担を伴うこと、蘇生に成功する可能性は決して高くないこと、また仮に蘇生に成功したとしても余命は心肺停止に陥る前よりも短くなっている可能性も考えられます。

終末期における二次心肺蘇生措置には、このようなデメリットがあるため、これを希望しない患者さんや利用者さん、その家族がいらっしゃいます。

DNARとは?DNRとの違いは?

DNARとは、かつてDNRと呼ばれていました。このようなことからDNARとDNRに違いはなく、同じ意味です。

DNARの「A」は「Attempt」を意味し、試みるという意味を示します。加えられた背景には、DNRが蘇生する可能性が高い場合でも蘇生措置を施さないものと誤解される懸念があり、そうではなく蘇生の可能性が高い場合でも蘇生措置を施さないものと誤解される懸念があり、そうでなく蘇生可能性が乏しいにもかかわらず蘇生を「試みる」ことを拒否する趣旨であることが分かりやすいよう「A」が加えられたという経緯があります。

DNARとリビングウィルの違いは?

患者さんに十分な判断能力ある時に示された終末期医療に関する患者さんの意向は「リビングウィル」と呼ばれ、患者さんの判断能力が十分でなくなり、意向を確認することが難しくなってきた時には、医師や看護師などがこのリビングウィルを尊重しつつ、患者さんのご家族などと医療やケアの内容について話し合いを行います。この点DNARはリビングウィル一種であると考えられます。リビングウィルが終末期医療全般についての意向であることに対し、DNARはあくまでも心肺停止状態になったときに二次心肺蘇生措置を施さないということのみを示します。したがって、DNARの意向を示していても心肺停止状態になっていなければ、気管挿管や人工呼吸器の装置が行われることがあります。

DNARの意向は直ちに受け入れられるわけではない

DNARの意向は、リビングウィルと同様に厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に従って取り扱われます。ガイドラインによると「医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされ、それに基づいて医療・ケアを受ける本人が多専門職種の医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームと十分な話し合いを行い本人により意思決定を基本としたうえで、人生の最終段階における医療・ケアを進めていくことが最も重要な原則である。」と記載されています。したがって、患者さんがDNAR同意書を提出したからと言って、医師は直ちにこれを受け入れられるわけではありません。医師たちがDNARの方針を決定するためには、患者さんと医師たちの間で十分な話し合いがい行われたことが条件になります。そして「本人の意思確認ができない場合には(中略)家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針を取ることを基本とする。家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとって最善の方針をとることを基本とする。」とされています。つまり、患者さん本人のDNARの意向があったかどうかわからない場合、ご家族が希望していても、本人が希望したことが推定できない場合には、医師はDNARを受け入れにくいでしょう。

DNARを希望する場合には同意書を提出する

DNARを希望する場合は、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。十分な話し合いを経て、多くの医療機関では決まった形式の同意書があるので、患者さんに判断能力がある場合は患者さん本人が、ない場合には家族が、必要事項を記入し捺印を押して提出します。

まとめ

人それぞれ終末期の準備があるように考え方も様々です。弁護士法人AURAでは成年後見・任意後見も併せ相続相談も受けております。気軽にお問い合わせください。


その他、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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