遺言の無効事由

author:弁護士法人AURA(アウラ)
男性

遺言の無効事由

遺言は一定の事情により無効と判断されることがあります。無効となる原因を「無効事由」と呼びます。実務では,複数の無効事由が主張されることがよくありますが,実質的には重複している場合もあります。

① 方式違反

ア (主に自筆証書遺言について)
記載内容が法定の方式(要式性)を欠く場合

詳細は,自筆証書遺言

イ (公正証書遺言について)

証人などの立会人に「欠格者」「不適格者」が含まれていた場合

詳細は,公正証書遺言


詳しくはこちら|公正証書遺言の証人の『承認』の内容と欠格・不適格と有効性

② 遺言能力の欠如

遺言者に判断能力が欠如していた場合

詳細は,遺言能力


詳しくはこちら|遺言能力|基本・全体|年齢・実質的判断|精神状態・遺言の複雑性・背景

③意思表示の効力が発生しない場合

遺言者の真意ではないとか,民法上の要素の錯誤・詐欺・強迫に該当する場合

 自書性の否定(※4)

遺言者が作成したものではなく,偽造・変造されたものである場合


詳しくはこちら|遺言無効|偽造|判断方法|自筆性=筆跡・自書能力・遺言の体裁・動機

⑤公序良俗・強行法規違反

遺言者の意図が法秩序に反する場合


※民法90条
詳しくはこちら|遺言の実質的内容×有効性|公序良俗違反・判断要素・判例|正妻vs婚外交際

⑥共同遺言(2名以上の連名での遺言)

⑦遺言の撤回

撤回されたことにより効力を失った場合

詳細は,遺言の撤回

処分できない財産

例;遺言者が経営する法人の所有物など,遺言者の所有ではない場合

詳しくはこちら|遺言のイレギュラーな記載事項(処分権なし・補充遺言)

自筆証書遺言の無効事由

頻度無効事由前記分類との対応
多い遺言能力の欠如前記※2
自書性の否定前記※4
遺言の意思表示の効力前記※3,※5
遺言の方式違反前記※1
少ない遺言の撤回前記※6

※『遺言無効確認請求事件の研究(下)』/判例タイムズ1195号p87

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