2024年、日本の障害福祉サービスの中でも特に注目を集めている放課後等デイサービスが、新たな報酬改定を迎えました。この改定は、事業者や専門職にとって、サービス提供の枠組みを理解し、質の高い支援を提供する上での重要な指標となります。
目次
- 2024年放課後等デイサービス報酬改定の概要
- 放課後等デイサービス給付費の概要
- 児童指導員等加配加算の概要
- 専門的支援加算の概要
- 強度行動障害加算の概要
- 集中的支援加算の概要
- 視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算の概要
- 人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)の概要
- 個別サポート加算の概要
- 送迎加算の概要
- 通所自立支援加算の概要
- 自立サポート加算の概要
- 延長支援加算の概要
- 欠席時対応加算(Ⅰ)の概要
- 子育てサポート加算の概要
- 利用者負担上限管理加算の概要
- 保育・教育等移行支援加算の概要
- 医療連携体制加算の概要
- 家族支援加算の概要
- 関係機関間連携加算の概要
- 加算の詳細
- 事業所間連携加算の概要
- 中核機能強化事業所加算対象の概要
- 福祉専門職員配置等加算の概要
- 福祉・介護職員処遇改善加算の概要
- 福祉・介護職員等特定処遇改善加算(従来)の概要
- 福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算の概要
- 福祉・介護職員処遇改善加算(新加算:令和6年6月以降)の概要
- 定員超過利用減算の概要
- サービス提供職員欠如減算の概要
- 児童発達支援管理責任者欠如減算の概要
- 個別支援計画未作成減算の概要
- 支援プログラム未公表減算の概要
- 自己評価結果等未公表減算の概要
- 開所時間減算の概要
- 身体拘束廃止未実施減算の概要
- 虐待防止措置未実施減算の概要
- 情報公表未報告減算の概要
- まとめ
2024年放課後等デイサービス報酬改定の概要
令和6年度の障害福祉サービス報酬改定では、新規追加項目や大幅な変更が行われており、特に重度障害児支援やサービス提供の質の向上に焦点を当てています。一部のサービスでは細かな修正が加えられ、利用者のニーズに更に応える形でのサービス提供が期待されます。しかし、一部の改定内容については具体的な詳細や適用基準がまだ不明確であり、これらの項目に関しては今後の情報提供を待つ必要があります。全体的に、改定はサービスの質の向上と利用者の利便性の向上を目指していますが、実際の運用においてはこれらの変更がどのように反映されるかが注目されます。
放課後等デイサービス給付費の概要
放課後等デイサービス給付費の改定は、障害のある児童に対するサポートの質とアクセスを向上させることを目的としています。この改定では、支援時間に応じた給付単位の設定、専門的支援の提供に対する加算、強度行動障害児への特別な加算など、様々な項目が見直されています。これらの変更により、児童一人ひとりのニーズに合わせたきめ細かなサポートが可能になります。
基準:個別支援計画の役割
個別支援計画書は、各児童に合わせた支援の内容と必要な時間を定める重要なドキュメントです。この計画に基づく支援時間が、放課後等デイサービスの給付費算定の基礎となります。
実支援時間:柔軟な請求対応
事業所側の予見できない事情により支援時間が計画より短くなった場合、実際に提供された支援時間に基づいて給付費を請求することが可能です。この柔軟なシステムは、サービスの質を保ちつつ、運営の課題に対応するために設計されています。
支援時間帯別の給付費
支援時間帯 | 給付費(単位/日) |
---|---|
30分以上1.5時間以下(授業終了後・休業日) | 574 |
1.5時間超3時間以下(授業終了後・休業日) | 609 |
3時間超(休業日のみ) | 666 |
児童指導員等加配加算の概要
児童指導員等の加配加算について、給付費が児童のサポート時間と従業員の経験に応じてどのように調整されるかを解説します。この制度は、質の高いケアを提供するために、従業員の専門性と経験を重視した報酬体系を採用しています。
支援時間に応じた加算単位
従業員の経験年数に基づく加算単位
経験5年未満
- 常勤専従(常勤職員): 152単位/日
- 常勤換算(非常勤職員): 107単位/日
経験5年以上
- 常勤専従(常勤職員): 187単位/日
- 常勤換算(非常勤職員): 123単位/日
その他従業者
- 90単位/日
共通要件
指定された基準を満たす人員に加え、児童指導員、保育士、またはその他従業者を配置している施設が加算対象です。特に、児童福祉事業等に5年以上従事した経験がある従業員を配置することで、さらなる加算が可能になります。
専門的支援加算の概要
専門的支援加算に関する制度は、放課後等デイサービスにおける質の高い支援を提供するために設けられています。この加算は、専門人材の配置とその人材による支援実施の二つの側面から構成され、各施設が提供するサービスの質をさらに向上させることを目指しています。
専門的支援体制加算
この加算は、施設が理学療法士や作業療法士などの専門人材を配置することで、日々のサービス提供において専門的な支援が可能な体制を整えていることを評価します。
項目 | 詳細 |
---|---|
単位 | 日当たり123単位 |
要件 | 指定基準に沿った人員に加え、理学療法士、作業療法士、言語療法士、心理担当職員などの専門人材を少なくとも1名、常勤換算で配置する必要があります。 |
専門的支援実施加算
専門人材による計画的な支援実施に焦点を当て、その質の高い活動を実際に行っている日に加算される制度です。専門的な支援が実施されることで、児童の成長や発達に寄与します。
項目 | 詳細 |
---|---|
単位 | 日当たり150単位 |
実施条件 | 原則として月に2回以上(最大6回まで)、専門人材による計画的な支援が実施された日。 |
要件 | 専門的支援を行う人材が、計画に基づいて支援を実施した場合に算定。 |
強度行動障害加算の概要
強度行動障害加算は、特定の条件を満たす障害児への支援に対して追加の単位を提供する制度です。この加算は、専門的な研修を受けたスタッフによる計画的な支援が必要な障害児に焦点を当てています。
加算期間
加算算定日から起算して90日以内は、日に+500単位の加算が適用されます。
加算条件
加算の種類 | 条件 | 加算単位/日 |
---|---|---|
基本加算 (I) | 研修を修了したスタッフが配置され、強度行動障害(児基準 20点以上)を有する障害児に対し、支援計画に基づく支援を行った場合 | 200 |
高度加算 (II) | 更に専門的な研修を修了したスタッフを配置し、より高い基準(児基準 30点以上)の障害児に対する支援を行った場合 | 250 |
集中的支援加算の概要
集中的支援加算は、強度行動障害を持つ障害児の状態が悪化した場合に、広域から来た専門の支援人材による訪問支援を受けられる制度です。この加算は、月に最大4回まで、1回につき1,000単位が給付され、短期間(3ヶ月以内)で集中的な支援を提供することを目的としています。
加算単位
月に4回まで、1回につき1,000単位が加算されます。
適用条件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 状態が悪化した強度行動障害を有する障害児 |
支援内容 | 広域的支援人材による訪問支援 |
期間制限 | 支援は3ヶ月以内に限る |
視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算の概要
視覚・聴覚・言語機能障害児支援加算は、特定の障害を持つ児童への支援を強化するための制度です。この加算は、視覚障害や重度の聴覚障害を持つ児童が日常の意思疎通に必要なサポートを専門人材から受けられるようにすることを目指しており、日ごとに100単位が加算されます。専門人材による適切な支援が、これらの児童のコミュニケーション能力向上に不可欠です。
加算単位
日につき100単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 視覚障害児や重度の聴覚障害児。 |
支援内容 | 意思疎通を支援するために専門人材を配置している場合。 |
人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)の概要
人工内耳装用児支援加算(Ⅱ)は、人工内耳を装着した障害児への専門的支援を強化するための制度です。この加算は、医療機関との連携のもと、言語聴覚士による計画的な支援を提供する施設に対して日ごとに150単位を加算することを目的としています。児童の言語能力と聴覚能力の発達を促進し、より良いコミュニケーションの基盤を築くことを目指しています。
人工内耳装用児支援加算(I)は、特定の児発センターのみが対象となるため、(Ⅱ)はより広い範囲の施設での支援を可能にします。
加算単位
日につき150単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 人工内耳を装着している障害児。 |
支援内容 | 医療機関と連携して、言語聴覚士を配置し計画的に支援を行う場合。 |
個別サポート加算の概要
個別サポート加算は、さまざまなニーズを持つ障害児に対する質の高いサポートを奨励し、それぞれの状況に応じた加算を設けています。
個別サポート加算(Ⅰ)
ケアニーズが高い障害児への専門的支援に対し、日ごとに90から120単位が加算されます。
加算単位 | 要件 |
---|---|
日につき90単位(強度行動障害者養成研修修了者配置で120単位) | ケアニーズが高い(就学時サポート調査表 13点以上)障害児に対して支援を行った場合。 |
個別サポート加算(Ⅰ)(重度)
著しく重度の障害児への支援には、日に120単位が加算されます。
加算単位 | 要件 |
---|---|
日につき120単位 | 著しく重度の障害児に対して支援を行った場合。 |
個別サポート加算(II)
要保護・要支援児童への連携支援に対して、日に150単位が提供されます。
加算単位 | 要件 |
---|---|
日につき150単位 | 要保護・要支援児童に対し、児童相談所やこども家庭センター等と連携して支援。 |
個別サポート加算(III)
不登校児童への学校連携支援には、日に70単位が加算されます。
加算単位 | 要件 |
---|---|
日につき70単位 | 不登校児童に対し、通常の発達支援に加え、学校との連携を図りながら支援を行った場合。 |
送迎加算の概要
送迎加算は、障害児が学校や自宅から施設まで安全に移動できるよう支援するために設けられた制度です。この加算は、送迎サービスの提供により、特に医療的ケアが必要な児童や重度の障害を持つ児童に対して、適切なサポートを確保することを目的としています。加算単位は、送迎の対象となる児童のニーズに応じて異なり、より専門的なケアが必要な場合には、それに応じて高い単位が設定されています。
加算単位
送迎の種類 | 加算単位/回 |
---|---|
通常の送迎 | 54 |
医ケア・重心児の送迎 | 94 |
医療的ケアスコア16点以上の送迎 | 134 |
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 学校や居宅などから事業所まで車で送迎した場合。 |
支援内容 | 医療的ケア児に対する送迎では、医療的ケアが可能な職員の同乗が必要です。 |
通所自立支援加算の概要
通所自立支援加算は、障害児が学校や自宅から事業所まで自立して移動できるようサポートする制度です。この加算は、職員が付き添って計画的な支援を提供し、児童の自立性を促進することを目的としており、支援開始から90日以内に限られた期間で提供されます。この取り組みにより、児童が日常生活における移動の自立を目指し、その能力を高めるサポートが行われます。
加算単位
一回につき60単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 学校や居宅と事業所間の移動について、自立して通所が可能になるよう支援が必要な場合。 |
支援内容 | 職員が付き添い、計画的に自立支援を行う。 |
期間制限 | 加算の算定を開始した日から起算して90日以内。 |
自立サポート加算の概要
自立サポート加算は、将来社会で自立して活躍するために必要なスキルや知識を身につけることを目的とした制度です。この加算は、高校の2年生と3年生を対象に、学校や地域の企業と連携して、相談援助や職場体験などの支援を計画的に行う際に適用されます。月に2回、支援を受けるたびに100単位が加算され、生徒が自立に向けた実践的な経験を積むことを奨励します。
加算単位
月に2回、一回につき100単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 高校生(2年生・3年生)。 |
支援内容 | 学校や地域の企業等と連携し、相談援助や体験等の支援を計画的に行う場合。 |
延長支援加算の概要
延長支援加算は、障害児、重心児、または医ケア児に対して、通常の支援時間を超える必要がある場合に提供される追加支援です。この制度は、特定の時間帯における支援の延長に応じて加算単位が異なり、特に長時間のサポートが必要な児童に対して適切な職員配置を促進することを目的としています。
加算の詳細
障害児、重心児、または医ケア児に対する延長支援の時間とその加算単位が異なります。
カテゴリ | 支援時間 | 加算単位/日 |
---|---|---|
障害児 | 30分以上1時間未満 | 61 |
1時間以上2時間未満 | 92 | |
2時間以上 | 123 | |
重心児又は医ケア児 | 30分以上1時間未満 | 128 |
1時間以上2時間未満 | 192 | |
2時間以上 | 256 |
要件
- 基本報酬の範囲を超える1時間以上の延長支援で、職員を2名以上配置した場合に加算が適用されます。
- 30分以上1時間未満の加算は、利用児の都合により計画より支援が短縮された場合のみ算定されます。
欠席時対応加算(Ⅰ)の概要
欠席時対応加算(Ⅰ)は、利用者が事前に予定された支援を受けられなくなった場合に、代替として提供される相談援助サービスの努力を評価する制度です。この加算は、支援予定日の直前に中止連絡があった際に、相談支援を実施し記録することで、月4回まで94単位が加算されることを目的としています。
加算単位
月4回まで、1回につき94単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 支援予定日の当日から前々日にかけて中止の連絡があった場合。 |
支援内容 | 相談援助を行い、その内容を記録した場合。 |
子育てサポート加算の概要
子育てサポート加算は、保護者が自らの子どもの発達や特性を深く理解し、その上で適切な関わり方を学べるよう支援することを目的とした制度です。この加算では、保護者に支援場面の観察や参加の機会を提供し、その経験を踏まえた上での相談援助を行うことで、月に4回まで80単位が加算されます。この取り組みにより、保護者自身が子育ての質を高める支援を受けることができます。
加算単位
月に4回まで、1回につき80単位が加算されます。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 保護者へのサポートが必要な場合。 |
支援内容 | 保護者に子どもの支援場面への観察や参加の機会を提供し、子どもの特性やそれに基づく関わり方について相談援助を行った場合。 |
利用者負担上限管理加算の概要
利用者負担上限管理加算は、サービス利用者の経済的負担が一定の上限を超えないよう、事業所がその負担額を管理することを奨励するために設けられています。月額150単位が加算されるこの制度は、利用者がサービスを安心して利用できるよう支援することを目的としており、事業所による責任ある管理を通じて、利用者のサービスアクセスのしやすさを向上させます。
利加算単位
月150単位。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 事業所が利用者の負担額合計の管理を行った場合。 |
保育・教育等移行支援加算の概要
保育・教育等移行支援加算は、子どもたちが保育施設や教育機関への移行をスムーズに行えるように支援するために設けられた制度です。この加算では、入所中に2回、退所後には居宅訪問と教育機関訪問を含む2回の支援が提供され、それぞれの訪問につき500単位が加算されます。この制度は、子どもたちの新たな環境への適応をサポートし、教育や保育への円滑な移行を促進することを目的としています。
加算単位
500単位/回。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 入所中と退所後の子どもたち。 |
支援内容 | 保育や教育等への移行を支援すること。入所中は2回、退所後は居宅と教育機関等への訪問を含めて2回までが算定の限度。 |
医療連携体制加算の概要
医療連携体制加算は、看護職員による訪問看護と特定の医療行為の提供を通じて、障害児の医療的ニーズに応じたサポートを強化するための制度です。訪問看護の時間や看護必要性に応じて加算される単位数が異なり、特に医療的ケアを要する児童へのきめ細かな対応を推進します。
加算の詳細
利用者ごとの看護必要性や実施される医療行為の内容・時間によって、異なる単位が設定されています。
看護訪問加算
訪問時間や実施される医療行為の種類に応じて、32単位から1,600単位までの範囲で加算されます。看護職員による訪問看護は、1時間未満から2時間以上のケアに対応し、利用者が最大8人までの場合に適用されます。
医療行為加算
スコア表に基づく医療行為を4時間未満または4時間以上実施した場合、500単位から800単位が加算されます。特に、3名以上の利用障害児が対象の場合、基本報酬医ケア1~3の算定が基本とされます。
介護職員指導加算
看護職員が介護職員に対して略療吸引等の医療行為に関する指導を行った場合、250単位が加算されます。
介護職員実施加算
研修を受けた介護職員が略療吸引等の医療行為を実施した場合、500単位が加算されます。
画像の内容に基づいて、以下のようにテーブル形式で情報をまとめました。
カテゴリ | 訪問回数あたりの単位数 | 1名の場合 | 2名の場合 | 3~8名の場合 |
---|---|---|---|---|
I | 32単位/回 | – | – | – |
II | 63単位/回 | – | – | – |
III | 125単位/回 | – | – | – |
IV | – | 800単位/回 | 500単位/回 | 400単位/回 |
V | – | 1,600単位/回 | 960単位/回 | 800単位/回 |
VI | 500単位/回 | – | – | – |
VII | 250単位/回 | – | – | – |
- カテゴリIからIIIは、訪問看護の時間に応じて異なる単位が設定されているようです。
- カテゴリIVとVはスコア表に基づく医療行為を提供する際の単位で、訪問の時間とケア対象児童の人数に応じて異なります。
- カテゴリVIは、訪問看護員が8人までの利用者に対して1時間未満の看護を行った場合に適用される単位です。
- カテゴリVIIは、看護職員が直接的な看護ケアを行わずに指導関連活動のみを行った場合に適用される単位です。
家族支援加算の概要
家族支援加算は、障害児の家族に対する支援を充実させるために設けられた制度です。この加算は、訪問相談や対面・オンラインでの相談援助等に応じて異なる単位が設定されています。
訪問相談支援
時間帯 | 料金 | 回数制限 |
---|---|---|
1時間以上 | 300単位/回 | 月4回まで |
1時間未満 | 200単位/回 | 月4回まで |
対面相談支援(事業所等での対面)
タイプ | 単位/回 | 回数制限 |
---|---|---|
個別 | 100単位 | 月4回まで |
グループ | 80単位 | 月4回まで |
オンライン相談支援
タイプ | 単位/回 | 回数制限 |
---|---|---|
個別 | 80単位 | 月4回まで |
グループ | 60単位 | 月4回まで |
関係機関間連携加算の概要
この加算は、障害児支援における様々な関係機関との連携を促進し、児童の包括的なサポートを強化することを目的としています。
加算の詳細
- (I): 保育所や学校等と連携して個別支援計画を作成した場合、月に1回250単位が加算されます。
- (II): 保育所や学校等との情報連携((I)以外)を行った場合、月に1回200単位が加算されます。
- (III): 児童相談所、医療機関等と情報連携を行った場合、月に1回150単位が加算されます。
- (IV): 就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合、1回につき200単位が加算されます。
加算種類 | 対象・活動 | 加算単位/回 | 頻度 |
---|---|---|---|
(I) 個別支援計画作成連携加算 | 保育所や学校等と連携して個別支援計画を作成 | 250単位 | 月1回 |
(II) 情報連携加算((I)以外) | 保育所や学校等との情報連携 | 200単位 | 月1回 |
(III) 情報連携加算(児童相談所、医療機関等) | 児童相談所、医療機関等と情報連携 | 150単位 | 月1回 |
(IV) 連絡調整加算 | 就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整 | 200単位 | 1回につき |
事業所間連携加算の概要
この加算は、複数の事業所が連携して障害児に対する包括的な支援を提供することを目的としています。
加算の詳細
加算区分 | 内容 | 加算単位/回 | 頻度 |
---|---|---|---|
(I) 中核となる事業所の連携加算 | 複数事業所の連携、家族への相談援助、自治体との情報連携を行った場合 | 500 | 月1回 |
(II) 他の事業所の連携加算 | (I)の会議に参加し、情報共有や個別支援計画の見直しを行い、支援に反映させた場合 | 150 | 月1回 |
中核機能強化事業所加算対象の概要
中核機能強化事業所加算対象は、児童発達支援センターが未設置の地域で中核的な役割を果たす事業所への支援を目的としています。この加算は、地域における支援サービスの不足を補い、障害児やその家族が必要なサポートを受けられるようにするために、日ごとに187単位が提供されます。この制度により、サービス提供の質と範囲の向上を図り、地域社会全体の支援体制を強化することが期待されます。
加算単位
日につき187単位。
加算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 児童発達支援センターが未設置の地域において、中核的な役割を担う事業所。 |
福祉専門職員配置等加算の概要
福祉専門職員配置等加算は、事業所が高いレベルの専門性を保持し、質の高いサポートを提供するための職員構成を実現していることを評価する制度です。この加算は、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師などの専門職員を一定比率以上配置する事業所に対して、その努力と貢献を認め、日々の運営における追加の支援単位を提供します。
加算の詳細
加算区分 | 職員構成要件 | 加算単位/日 |
---|---|---|
I | 社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、公認心理師が35%以上 | 15 |
II | 同職種が25%以上 | 10 |
III | 常勤職員が75%以上、または勤続3年以上の常勤職員が30%以上 | 6 |
- (I): 常勤の児童指導員等のうち、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、または公認心理師が35%以上いる場合、日に15単位が加算されます。
- (II): 同職種が25%以上の場合、日に10単位が加算されます。
- (III): 直接処遇職員のうち、常勤職員が75%以上、または勤続3年以上の常勤職員が30%以上の場合、日に6単位が加算されます。
福祉・介護職員処遇改善加算の概要
福祉・介護職員処遇改善加算は、介護・福祉サービスを提供する事業所で働く職員の待遇を改善するための制度です。この加算を通じて、事業所は職員の賃金向上や職場環境の改善に必要な資金を得ることができます。具体的には、職員のキャリアパスの整備、研修の実施、賃金体系の改善など、職員の働きがいと専門性の向上に資する取り組みが奨励されています。
加算率
- (I): 加算対象単位数の8.4%。
- (II): 加算対象単位数の6.1%。
- (III): 加算対象単位数の3.4%。
加算要件
キャリアパス要件と職場環境等要件を満たすこと。
- (I): 職位・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備し、資質向上のための研修を実施。
- (II): 昇給の仕組みを設け、資質向上に寄与する研修の機会を提供。
- (III): 職場環境の賃金改善以外の処遇改善取り組みを実施。
加算区分 | 加算率 | 要件 |
---|---|---|
(I) | 8.4% | キャリアパス要件(I)、(II)及び職場環境等要件を全て満たす |
(II) | 6.1% | キャリアパス要件(I)、(II)及び職場環境等要件を全て満たす |
(III) | 3.4% | キャリアパス要件(I)または(II)及び職場環境等要件を満たす |
キャリアパス要件
- キャリアパス要件(I): 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備
- キャリアパス要件(II): 資質向上のための計画策定と研修実施、昇給システムの設置
職場環境等要件
賃金改善以外の処遇改善取組みの実施
福祉・介護職員等特定処遇改善加算(従来)の概要
福祉・介護職員等特定処遇改善加算(従来)は、福祉専門職員の配置等に取り組む事業所や、処遇改善加算を取得し、職場環境の向上に努める事業所に対して提供される加算です。この制度は、事業所が行う職員の待遇改善や職場環境の改善取り組みを支援し、その努力を可視化することを奨励しています。加算率は、具体的な取り組みやその可視化の程度に応じて異なり、事業所による福祉・介護職員の質の向上を目指しています。
加算率
- (I): 福祉専門職員配置等加算を算定している事業所に対し、単位数の1.3%が加算されます。
- (II): 上記以外の事業所で、1.0%が加算されます。
加算要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 福祉・介護職員処遇改善加算を取得している事業所。 |
使用条件 | 職場環境等要件に関して複数の取り組みを行い、これらの取り組みをホームページに掲載することで可視化している場合。 |
福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算の概要
福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算は、介護・福祉職員の待遇改善を目指し、その賃金を持続的に向上させるために設計された制度です。この加算は、事業所が福祉・介護職員処遇改善加算を取得している場合に適用され、加算された資金の3分の2以上を職員の基本給の引き上げに使用することを条件に、単位数の2.0%が支給されます。これにより、職員のモチベーション向上と職場の質の高いサービス提供が期待されます。
加算率
単位数の2.0%。
加算要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 福祉・介護職員処遇改善加算を取得している事業所。 |
使用条件 | 加算額の3分の2以上を職員のベースアップ(基本給の引き上げ)等に使用する場合。 |
福祉・介護職員処遇改善加算(新加算:令和6年6月以降)の概要
令和6年6月以降に適用される福祉・介護職員処遇改善加算は、介護・福祉業界で働く職員の待遇と職場環境を向上させるための新たな制度です。この制度は、職員のキャリアパスの構築、賃金体系の整備、研修機会の提供などを通じて、賃金のベースアップや職場の質の向上を目指します。加算率は職場の具体的な取り組みに応じて異なり、事業所は加算を受けた資金を職員の賃金改善に確実に使用する必要があります。
加算取得事業所は、得られた加算額を職員の賃金改善に使用し、その半分以上を月額賃金で分配する必要があります。この改善加算は、福祉・介護職員の待遇向上を目指し、令和6年6月から新しい形で実施されます。
加算率
- (I):不明(詳細待ち)
- (II):単位数の13.4%、13.1%、または12.1%、具体的な条件に応じて。
- (IV):単位数の9.8%、特定のキャリアパスと職場環境要件を満たす場合。
主な要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
キャリアパス | 職務に応じた任用要件や賃金体系の整備、研修実施など。 |
見える化要件 | 取り組みの公開を通じた透明性の確保。 |
職場環境等要件 | 賃金改善以外の処遇改善取り組みの実施。 |
定員超過利用減算の概要
定員超過利用減算は、福祉・介護事業所が定められた定員を超えて障害児を受け入れた場合に適用される措置です。この減算により、事業所は所定単位数の70%のみを算定でき、1日の利用者数が定員の150%を超えるか、過去3ヶ月の平均利用者数が定員の125%を超えた場合に適用されます。この制度は、適切なサービス提供と質の維持を促すために設計されています。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 1日あたりの利用障害児が定員の150%を超える場合、または過去3ヶ月間の平均利用障害児数が定員の125%を超える場合。 |
サービス提供職員欠如減算の概要
サービス提供職員欠如減算は、事業所が必要な職員数を確保できずにサービスの質に影響が出ることを防ぐために設けられた制度です。人員基準を1割以上満たさない場合、翌月から所定単位数の70%が、3ヶ月目以降は50%が算定され、質の高いサービス提供を維持するための人員配置の重要性を促します。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
---|---|
対象 | 人員基準を満たさない場合で、1割を超える職員が欠如している状態が続く場合は翌月から、1割以内であれば翌々月から減算が適用されます。 |
児童発達支援管理責任者欠如減算の概要
児童発達支援管理責任者欠如減算は、管理責任者不在により事業所が児童発達支援の質を維持できない状況を防ぐために設けられた制度です。この減算は、指定された人員基準を満たさない期間に適用され、最初の4ヶ月間は所定単位数の70%、5ヶ月目以降は50%が算定されることで、事業所における適切な人員配置と質の高いサービス提供の維持を促します。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 指定された人員基準を満たせない場合で、翌々月から解消されるまでの期間。 |
個別支援計画未作成減算の概要
個別支援計画未作成減算は、放課後等デイサービス計画が未作成のままサービスが提供された場合に適用される措置です。この減算は、サービス提供の初期2ヶ月間に所定単位数の70%を、3ヶ月目以降には50%を算定することで、各児童に合わせた個別支援計画の作成とその重要性を促します。この制度により、質の高いサービス提供と児童のニーズに合致したサポートの提供を確実にすることを目指します。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 個別支援計画が未作成でサービス提供が行われた場合。 |
期間 | 当該月から解消された月の前月まで。 |
支援プログラム未公表減算の概要
支援プログラム未公表減算は、放課後等デイサービス事業所が義務付けられている支援プログラムを公表していない場合に適用される減算です。この措置により、所定単位数の85%のみが算定され、事業所はサービス内容の透明性を確保し、利用者が適切な情報に基づいてサービスを選択できるようにすることが求められます。令和7年3月31日までは経過措置期間として設けられています。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 放課後等デイサービスの支援プログラムを公表していない事業所。 |
期間 | 令和7年3月31日までの経過措置期間内。 |
自己評価結果等未公表減算の概要
自己評価結果等未公表減算は、放課後等デイサービス事業所が義務付けられた自己評価の結果を公開していない場合に適用される減算です。この制度は、事業所が提供するサービスの質に関する透明性を促し、利用者が情報に基づいた選択を行えるよう支援することを目的としています。所定単位数の85%のみが算定されることで、事業所に自己評価結果の公表を促す効果が期待されます。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 自己評価結果等を公表していない事業所。 |
開所時間減算の概要
開所時間減算は、放課後等デイサービス事業所が学校休業日に6時間未満のサービスを提供する場合に適用される制度です。この減算は、事業所の運営時間が短い場合に、所定単位数の70%または85%のみを算定することで、充分なサービス提供時間の確保を促します。事業所には、子どもたちが必要とする支援を十分に提供するための適切な開所時間の設定が求められます。
- 4時間未満: 所定単位数の70%が算定されます。
- 4時間以上6時間未満: 所定単位数の85%が算定されます。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 運営規程に定められた営業時間が学校休業日に6時間未満の事業所 |
身体拘束廃止未実施減算の概要
身体拘束廃止未実施減算は、身体拘束の適正使用に関する措置を実施していない事業所に適用される減算です。この制度は、身体拘束を必要とする状況を最小限に抑え、その使用に際して適切な手順や研修を講じているかの確認を促します。事業所は、身体拘束等の適正化を図るための記録の保持、関連委員会の開催、指針の整備、職員への研修実施など、具体的な措置を取ることが求められ、これらを怠った場合には所定単位数の99%のみが算定されます。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 身体拘束の適正化(記録、委員会の開催、指針の整備、研修の実施など)を行っていない事業所。ー |
虐待防止措置未実施減算の概要
虐待防止措置未実施減算は、虐待防止に必要な各種措置を実施していない事業所に適用される減算です。事業所が虐待防止委員会の開催、責任者の設置、防止指針の整備、関連研修の実施など、虐待防止に関する基本的な措置を講じていない場合、提供されるサービスの単位数は99%に減少します。この措置は、利用者の安全を確保し、虐待を未然に防ぐための事業所の取り組みを促進することを目的としています。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 虐待防止措置(委員会の開催、責任者の設置、指針の整備、研修の実施など)を行っていない事業所。 |
情報公表未報告減算の概要
情報公表未報告減算は、事業所がWAMネット上で必要な支援情報の公表を行っていない場合に適用される減算です。この制度は、支援情報の透明性を確保し、利用者が必要な情報を容易に入手できるようにすることを目的としており、公表が未実施の場合、提供されるサービスの単位数は95%に減少します。この措置により、情報の公開を促進し、サービス利用者の選択肢を拡大することが期待されます。
減算の要件
条件項目 | 詳細 |
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対象 | 情報公表対象となる支援情報をWAMネット上で公表していない事業所。 |
まとめ
令和6年度の障害福祉サービス報酬改定を受けて、放課後等デイサービス事業者や専門職は、より一層のサービス向上に向けての取り組みが求められます。この改定が持つ意義と、それを通じて目指すサービスの質の向上について理解を深めることは、私たちの使命であります。
私たちは、幅広い福祉分野での経験を持ち、高齢者介護から障がい者や障がい児に関する悩み、一時保護から成年後見制度まで、多様な相談に対応しています。特に、ひとり親や母子家庭の支援において専門的なカウンセリングを提供し、あなたの心のケアや新しい生活への準備を支援します。必要に応じて、専門家の紹介や心理的なサポートも提供いたします。私たちは、あなたの隣に立ち、新たな未来に向けて共に歩むお手伝いをいたします。