就労継続支援B型サービスに適用される加算とは

author:弁護士法人AURA(アウラ)
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就労継続支援B型サービスに適用される加算とは、障がい者が就労する上で必要な支援をより充実させるために、事業所が行う一定の取り組みに対して、支援金を支給する制度です。加算は、障がい者がより安心して働くことができるように、必要な支援をより充実させることを目的としています。就労継続支援B型サービスには、様々な種類の加算が設定されており、事業所の状況や利用者の状況に応じて、適用することができます。

就労継続支援B型サービスに適用される加算一覧

  • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
  • 重度者支援体制加算
  • 訪問支援特別加算(月2回)
  • 就労移行支援体制加算
  • 目標工賃達成指導員配置加算
  • 就労移行連携加算
  • 医療連携体制加算
  • 食事提供加算
  • 在宅時生活支援サービス加算
  • ピアサポート加算
  • 地域共同加算

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

就労継続支援B型サービスにおいて、視覚・聴覚・言語機能に障がいがある利用者が一定数以上いる場合、専門の職員を配置することで、視覚・聴覚・言語機能障がい者支援加算が適用されます。

この加算は、専門の職員を配置することで、障がい者の支援がより適切に行えるようにするために設定されています。具体的には、以下のような支援が行われます。

視覚・聴覚・言語機能障がい者に対する適切な支援

専門の職員が配置されることで、視覚・聴覚・言語機能障がい者に対して、より適切な支援を提供することができます。例えば、手話通訳者や点字資料作成者などが配置されることで、聴覚・視覚障がい者に対するコミュニケーション支援や、情報提供が円滑に行えるようになります。

スタッフの専門性向上

専門の職員が配置されることで、スタッフの専門性を向上させることができます。聴覚・視覚・言語機能障がい者支援に特化した研修などが提供されることで、より適切な支援を提供できるようになります。

事業所の評価向上

視覚・聴覚・言語機能障がい者支援加算を受けることで、事業所の評価が向上することが期待されます。これにより、就労継続支援B型サービスを利用する障がい者が、より適切な支援を受けられるようになるとともに、社会的な評価も高まることが期待されます。

視覚・聴覚・言語機能障がい者支援加算は、専門の職員を配置することで、障がい者に対する適切な支援を提供することを目的としています。就労継続支援B型サービスを利用する際には、自分に合った支援が受けられるかどうか、事業所や担当者に相談してみることが重要です。また、利用者自身が、自分が抱える障がいや支援のニーズについて明確に伝えることも大切です。就労継続支援B型サービスは、利用者が自分らしい働き方を見つけるための支援を行うサービスです。障がいの種類や程度に関わらず、適切な支援を受けられるようにすることが重要です。

重度者支援体制加算

重度者支援体制加算には、障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上で、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していた場合に、加算が適用されます。この加算は、より重度の障がいを持つ利用者が、より適切な支援を受けられるようにするために設定されています。

具体的には、以下のような支援が行われます。

専門的な支援

重度の障がいを持つ利用者には、専門的な支援が必要です。障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上で、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していた場合には、専門的な支援を提供することができます。例えば、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが配置されることで、より適切な支援が提供されます。

ケアマネージャーの増員

重度の障がいを持つ利用者には、個別の支援計画を立て、それに基づいた支援を提供することが必要です。障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上で、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していた場合には、ケアマネージャーの増員が行われることがあります。これによって、利用者の状況に応じた適切な支援を提供できるようになります。

設備・備品の整備

重度の障がいを持つ利用者に対しては、特殊な設備や備品が必要な場合があります。障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上で、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していた場合には、これらの設備や備品を整備することができます。例えば、身体障がい者用の介助用具や、コミュニケーション支援機器などが含まれます。

障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上で、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していた場合には、重度者支援体制加算が適用されるため、より適切な支援を受けられるようになります。ただし、障害基礎年金を受給する利用者が一定数以上であっても、前年度に就労継続支援B型サービスを利用していなかった場合には、加算は適用されません。

重度者支援体制加算は、障がい基礎年金を受給する利用者が多数いる場合に適用されるため、就労継続支援B型サービスを利用する際には、自分が適切な支援を受けられるかどうか、事業所や担当者に相談して確認することが重要です。また、自分に合った支援を受けるためにも、利用者自身が自分が抱える障がいや支援のニーズについて明確に伝えることも大切です。

訪問支援特別加算(月2回)

就労継続支援B型サービスにおいて、従業員が利用者宅を訪問し、相談援助を行う場合には、訪問支援特別加算が適用されます。この加算は、利用者の自立支援を促進するために設定されています。

訪問支援特別加算には、以下のような特徴があります。

加算額

訪問支援特別加算は、従業員が利用者宅を訪問し、相談援助を行うことで月2回ごとに、1回あたり2,000円が加算されます。この加算は、直接支援に関わる経費として認められます。

対象利用者

訪問支援特別加算は、身体的に外出が困難で、かつ、家庭や地域での生活に支障をきたしている利用者を対象としています。従業員が利用者宅を訪問し、利用者の生活や就労に関する相談援助を行うことで、利用者の自立支援を促進することが目的となります。

訪問支援の内容

訪問支援特別加算においては、従業員が利用者宅を訪問し、利用者の生活や就労に関する相談援助を行います。例えば、生活支援や就労支援、医療や福祉の相談などが含まれます。従業員は、利用者の状況やニーズに合わせて、個別の支援計画を立て、適切な支援を提供することが求められます。

訪問支援特別加算は、従業員が利用者宅を訪問し、相談援助を行うことで、利用者の自立支援を促進するために設定されています。利用者が自分らしい生活を送るためには、自分に合った支援を受けられることが重要です。就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合った支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。

就労移行支援体制加算

就労継続支援B型サービスにおいて、就労移行支援体制加算は、一般就労への移行を支援するために設定された加算です。この加算は、就労継続支援を利用後、6か月以上、一般就労を継続した場合に適用されます。

具体的には、以下のような条件が必要です。

就労継続支援の利用

就労移行支援体制加算を受けるためには、まず就労継続支援B型サービスを利用する必要があります。就労継続支援B型サービスによって、利用者は就労に必要なスキルや知識を身につけることができ、一般就労への移行の準備が整います。

一般就労への移行

就労継続支援B型サービスを利用した後、一般就労に移行し、6か月以上継続した場合に、就労移行支援体制加算が適用されます。利用者が自立して一般就労を継続することができるように、必要な支援を提供することが目的となります。

加算額

就労移行支援体制加算は、月額15,000円が加算されます。ただし、この加算は、一定期間に限定されており、一般就労への移行から12か月間の間に、最大6回まで適用されます。

就労移行支援体制加算は、一般就労への移行を支援するために設定された加算です。一般就労に移行してから6か月以上継続することができるように、必要な支援を提供することが重要です。また、利用者が自分らしい働き方を見つけるためには、事業所や担当者に相談して、自分に合った支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。

目標工賃達成指導員配置加算

就労継続支援B型サービスにおいて、目標工賃達成指導員配置加算は、利用者が目標工賃を達成し、自立支援を進めるために、目標工賃達成指導員を配置することに対して支援をする加算です。

目標工賃達成指導員を常勤換算1.0で配置し、算定区分7.5:1、目標工賃達成指導員・職業指導員・生活支援員を6:1で配置した場合、加算額は以下のように計算されます。

目標工賃達成指導員配置加算

目標工賃達成指導員を常勤換算1.0で配置した場合、月額110,000円が加算されます。また、算定区分7.5:1で計算するため、この加算額に7.5をかけた金額が、支給される加算額となります。つまり、110,000円 × 7.5 = 825,000円が加算されます。

職業指導員・生活支援員配置加算

目標工賃達成指導員と合わせて、職業指導員と生活支援員も配置された場合には、職業指導員・生活支援員配置加算が適用されます。職業指導員と生活支援員は、それぞれ常勤換算0.6で配置することが求められています。これにより、月額45,000円が加算されます。算定区分6:1で計算するため、この加算額に6をかけた金額が、支給される加算額となります。つまり、45,000円 × 6 = 270,000円が加算されます。

以上のように、目標工賃達成指導員を常勤換算1.0で配置し、算定区分7.5:1、目標工賃達成指導員・職業指導員・生活支援員を6:1で配置した場合、加算額は合計で1,095,000円となります。目標工賃達成指導員配置加算は、利用者が自立支援を進め、目標工賃を達成するために必要な支援を提供することを目的として設定されています。利用者にとって適切な支援を提供するためには、目標工賃達成指導員をはじめとする、適切なスキルや知識を持った従業員を配置することが重要です。また、目標工賃達成指導員と共に、職業指導員や生活支援員も配置することで、利用者が自分らしい働き方を見つけるための環境を整えることができます。

就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合った支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。また、自分に合った働き方を見つけるためには、自分自身の目標やニーズを明確にすることが重要です。利用者自身が積極的に支援を受ける姿勢を持ち、目標達成に向けて努力することが、自立支援の進展につながります。

就労移行連携加算

就労継続支援B型サービスにおいて、就労移行連携加算は、就労継続支援A型から就労移行支援に移行することによって、一定の要件を満たした場合に支給される加算です。

具体的には、以下のような要件を満たす場合に、就労移行連携加算が支給されます。

就労移行支援への移行

就労継続支援A型から就労移行支援に移行する必要があります。就労移行支援には、一般就労に向けて必要なスキルや知識を身につけるための支援が含まれます。

就労継続支援A型利用期間

就労継続支援A型を利用していた期間に応じて、加算額が変わります。利用期間が3か月以上6か月未満の場合、月額50,000円が加算されます。利用期間が6か月以上の場合、月額100,000円が加算されます。

就労移行支援利用期間

就労移行支援を利用した期間に応じて、加算額が変わります。利用期間が3か月以上6か月未満の場合、月額50,000円が加算されます。利用期間が6か月以上の場合、月額100,000円が加算されます。

就労継続支援A型から就労移行支援に移行することで、利用者は一般就労に向けた支援を受けることができます。就労移行連携加算は、このような利用者の自立支援を促進するために設定された加算であり、期間や金額などの要件を満たすことで支給されます。

就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合った支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。自分自身の目標やニーズを明確にし、自分らしい働き方を見つけるためには、利用者自身が積極的に支援を受ける姿勢を持ち、目標達成に向けて努力することが大切です。

医療連携体制加算

就労継続支援B型サービスにおいて、医療連携体制加算は、医療機関等と連携することで、利用者に適切な医療的ケアを提供することを目的として設定された加算です。

具体的には、以下のような場合に加算が支給されます。

看護職員による訪問看護

障がい福祉事業所を訪問して、看護職員が利用者に対して看護を行った場合、月額50,000円が加算されます。ただし、看護職員の配置は常勤換算で0.1以上とする必要があります。

介護職員等による痰吸引指導

医療機関等と連携し、介護職員等が利用者に対して痰吸引などの指導を行った場合、月額10,000円が加算されます。

医療連携体制加算は、利用者に適切な医療的ケアを提供することを目的としているため、医療機関等との連携が必要です。また、看護職員や介護職員等の配置や訪問看護の頻度などにも要件が設定されています。

利用者が医療的な支援を必要とする場合には、事業所や担当者に相談して、適切な支援を受けることが大切です。医療連携体制加算を活用することで、利用者の医療的ケアの質が向上し、自立支援が促進されることが期待されます。

食事提供加算

就労継続支援B型サービスにおいて、食事提供加算は、利用者に対して適切な食事を提供することを目的として設定された加算です。

具体的には、以下のような場合に加算が支給されます。

調理した食事を提供

障がい福祉事業所内で調理等した食事を提供した場合、月額20,000円が加算されます。ただし、利用者数に応じて加算額が変動するため、事業所内での利用者数に応じて加算額を確認する必要があります。

食品衛生管理責任者を配置

食品衛生管理責任者を常勤換算で配置している場合、月額20,000円が加算されます。

食事提供加算は、利用者が健康的な食事を摂取することを支援するために設定された加算です。食事提供においては、利用者の健康状態や好み、宗教的・文化的背景などを考慮した、バランスのとれた食事の提供が求められます。また、食品衛生管理にも十分な配慮が必要です。

利用者が健康的な食事を摂取することで、自立支援の進展につながることが期待されます。就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合った食事支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。

在宅時生活支援サービス加算

就労継続支援B型サービスにおいて、在宅時生活支援加算は、在宅支援の利用者に対して適切な支援を提供することを目的として設定された加算です。

具体的には、以下のような場合に加算が支給されます。

定期的な在宅支援

在宅支援の利用者に対して、定期的に訪問をし、生活上の支援を提供した場合、月額50,000円が加算されます。ただし、利用者数に応じて加算額が変動するため、事業所内での利用者数に応じて加算額を確認する必要があります。

緊急時の対応

在宅支援の利用者が、緊急時に支援を必要とした場合、適切な対応を行った場合に月額5,000円が加算されます。

在宅時生活支援加算は、利用者が自宅での生活を維持するための支援を提供することを目的としています。具体的には、家事や料理、入浴、排せつなどの生活上の支援を提供し、利用者が自宅で快適に生活することができるよう支援を行います。

利用者が自宅で快適に生活することで、自立支援の進展につながることが期待されます。就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合った在宅支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。

ピアサポート加算

就労継続支援B型サービスにおいて、ピアサポート加算は、障がい者従業員による支援を通じて、利用者の自立支援を促進することを目的として設定された加算です。

具体的には、以下のような場合に加算が支給されます。

ピアサポート研修の修了

障がい者従業員が、ピアサポート研修等を修了した場合、月額20,000円が加算されます。ただし、ピアサポート従業員の配置数に応じて加算額が変動するため、事業所内でのピアサポート従業員数に応じて加算額を確認する必要があります。

相談援助の提供

ピアサポート従業員が、利用者に対して相談援助を行った場合、月額5,000円が加算されます。

ピアサポート加算は、障がい者従業員による支援によって、利用者がより自立的に生活することを支援することを目的としています。ピアサポート従業員は、自身が障がいを抱えながらも就労を実現しているため、利用者と共感しやすく、自立支援に資する支援を提供することが期待されます。

利用者がピアサポート加算を活用することで、より自立的に生活することができるようになります。就労継続支援B型サービスを利用する際には、事業所や担当者に相談して、自分に合ったピアサポート支援が受けられるかどうかを確認することが大切です。

地域共同加算

就労継続支援B型サービスにおいて、地域共同加算は、地域社会との協働を通じて、利用者の社会参加を促進し、地域コミュニティの発展に寄与することを目的として設定された加算です。

具体的には、以下のような場合に加算が支給されます。

地域コミュニティの活動に参加

利用者が、地域住民その他の関係者と協同して、地域コミュニティの活動に参加し、地域貢献活動を行った場合、月額20,000円が加算されます。ただし、事業所の生産活動収入がある場合に限られます。

地域社会との協働

利用者が、地域社会との協働を通じて、持続可能な活力ある地域作りに役立つ活動を行った場合、月額20,000円が加算されます。ただし、事業所の生産活動収入がある場合に限られます。

地域共同加算は、利用者が地域社会とのつながりを深め、社会参加を促進することを目的としています。地域社会との協働を通じて、利用者は地域に貢献することができ、自分自身の自己実現や自己肯定感の向上にもつながります。

就労継続支援B型サービスを利用する際には、地域共同加算を活用することで、地域社会とのつながりを深め、社会参加を促進することができます。事業所の生産活動収入がある場合に限られるため、加算を受けるためには、事業所として生産活動を行い、生産活動収入を得る必要があります。

まとめ

就労継続支援B型サービスでは、利用者の状況やニーズに応じて、上記のような加算が設定されています。これらの加算を活用することで、利用者の支援をより充実させることができます。ただし、加算の受給には一定の条件があり、事業所としての取り組みや従業員の能力向上などが必要となります。加算を有効に活用し、利用者の支援に繋げていくことが大切です。

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