ワンルームマンション投資詐欺に要注意!

author:弁護士法人AURA(アウラ)

ワンルームマンション投資詐欺の手口には、購入時と売却時の手口の両方があります。警戒すべき不動産会社の特徴や悪徳業者の詐欺を防ぐ対策、そして、不動産投資詐欺にあった場合の対処法を解説します。

マンション・再開発・立ち退き

ワンルームマンション投資(購入)詐欺の手口 

安定的な家賃収入や節税効果など、正しい知識を見つけていれば資産形成のための有効な手段となるワンルームマンション投資ですが、儲け話を利用して騙そうとする人がいるのも事実です。
詐欺の手口も、購入時と売却時では異なります。
ワンルームマンション投資(購入)詐欺の手口
  • 価格詐欺
  • 手付詐欺
  • サブリース詐欺
  • 架空賃貸詐欺
  • 婚活・デート商法
  • 買取保証付き
  • 融資詐欺
  • 収支シュミレーション詐欺

価格詐欺

新築マンションの販売業者から、相場よりも高く買わされてしまう手法。

中古マンションについて、業者がノーリスクで転売差益を得るために、いわゆる三為(さんため)契約(第三者のためにする契約)を行って、高く売りつけられます。例えば、まず買主が決まったら、相場価格の1500万円で仕入れをして、そのまま1900万円で転売します。

手付詐欺

マンションの売買契約締結後、手付金を支払ったが、業者から引き渡しができなくなったと一方的に連絡が来る手法。その直後から、その業者は倒産したり、連絡が全くつかない状態になったりして、事前に支払った手付金が一切戻ってこない状況に陥ります。

 

サブリース(家賃保証)詐欺

サブリース会社の「家賃を永久保証」という謳い文句を信じて契約したものの、実際は2年ごとの賃料見直し時期に減額され、その提案に応じなければ契約を解約させられます。

家賃保証によって不動産の相場よりも高く購入させられているため、金融機関から過剰融資を受けている場合があります。
 

架空賃貸詐欺

売却するまでは、架空の入居者と高額で賃貸借契約をしていることにして、「高利回り」という謳い文句で購入したものの、購入後6か月ほどで偽の入居者が解約・退去した後、部屋を見ると入居していた形跡がなく、電気・ガス・水道の契約もされていなかった場合です。
 

婚活・デート商法

婚活パーティーや出会い系アプリなどで知り合い、親密になったところで投資用マンション購入の勧誘を受ける手法。男女関係を壊したくないので、投資用マンションを購入してしまうという恋愛感情を利用する場合です。ロマンス詐欺の一形態と言えなくもありません。
 

買取保証付き

「購入後何年たっても、損しないように買い取ります。」と口約束をしますが、実際には「担当者が退職したので知りません」と相手にされなかったり、買い取りに応じてくれる場合でも、相場よりも安い金額を提示される場合です。
 

収支シュミレーション詐欺

実際に詐欺に当たるか微妙な線引きになりますが、メリットばかりを買い手に並べ、実際のリスクを矮小化し、収支シミュレーションをごまかして伝える詐欺です。

他にもこんな事案があります

値引き契約

金融機関から2000万円のローンを組むために、実は100万円の頭金が必要なケースだったが、実際には1900万円の契約を締結する。自己資金を使わないように、金融機関に2000万円の契約書を提出し、虚偽報告をした詐欺。また、値引き前の2000万円の売買契約書で、減価償却として確定申告をおこなう行為は立派な脱税犯罪です。

審査書類の改ざん

多額の融資を組めるように、金融機関が借り手の預金通帳や源泉徴収のコピーを偽造して、貯蓄や所得の改ざんおこないます。最悪の場合、一括返済を要求されることも。

住宅ローンで投資をする

ワンルームマンション投資をはじめる際に、ほとんどの人が金融機関からローンを組んで購入資金を用意します。そのタイミングを悪徳業者から狙われることも多いため注意が必要です。
最初から購入したマンションに住む意思がないのに、居住用とし融資を組む、いわゆる「なんちゃって住宅ローン」。一時期、住民票だけ移転し、実際にはその物件はすぐに賃貸として投資用に運用する場合です。最初から住んでいないケースも。住宅ローンの仕組みを不正利用した手法です。

自己資金なしで資産形成

マンション経営を続けるうえで必要になる、リフォーム・設備交換費用・固定資産税経費の計上がない。また、年を追うごとに家賃が下がり、管理費が上がることも想定されていない。さらに、空室率も少なく見積もりをされており、甘いシミュレーションになっている、などの手法による詐欺です。
実際にはローン完済までに多額の自己資金が必要ですが、事前にその説明は一切ないことも多いです。

生命保険代わり

団信(団体信用生命保険)で死後、ローンが一括返済できると説明され、生命保険の代わりにマンションを購入。しかし、収支が悪化すると、生命保険として考えたときには割高になってしまいます。また、年々、物件価格が安くなっていくため、保証される額が少なくなるのに、逆に負担は増えてしまう恐れもあります。

自己資金なしで資産形成

マンション経営を続けるうえで必要になる、リフォーム・設備交換費用・固定資産税経費の計上がない。また、年を追うごとに家賃が下がり、管理費が上がることも想定されていない。さらに、空室率も少なく見積もりをされており、甘いシミュレーションになっている、などの手法による詐欺です。
実際にはローン完済までに多額の自己資金が必要ですが、事前にその説明は一切ないことも多いです。

節税効果

実際に節税効果があるものの、諸経費が多く計上できる1年目は還付されるが、2年目以降は納税が必要になるケースが多いという事実を知らされないまま購入されられてしまう手法です。

価格が下がらない

都心や駅近の物件は立地が良ければ希少性があるので、古くなっても価格が下がらないシミュレーショを提示される手法。しかし、実際は老朽化で都心や駅近の物件であっても価格は下がります。相手側のシミュレーション騙されずに物件サイトで検索して、自分でも調べましょう。

不労所得で年金対策

不労所得として将来の年金対策になりますと、業者からワンルームマンションの購入を勧められる手口です。しかし、キャッシュフローがプラスにならなければ、年金の足しにはなりません。むしろ、多額のローンを背負ってしまい老後の重しになってしまうことも。

ワンルームマンション投資(売却)詐欺の手口

ワンルームマンション投資の売却時を狙ってくる詐欺も少なくありません。売却時における詐欺の手法も押さえておきましょう。
ワンルームマンション投資(売却)詐欺の手口
  • 査定価格詐欺
  • 囲い込み
  • 複数物件まとめて詐欺
  • 売買契約と媒介契約を誤認させる

売主に対して、故意に割安な事例額の情報を提供する手法。または、偽造した事例を提示する詐欺。売主に相場価格を相場より低く誤認させて契約を迫ります。

査定価格詐欺

業者は顧客に対して、適切な事例を情報提供しなければならなりませんが、強引な会社になると事例の紹介や査定書作成すらおこなわないところも。

囲い込み

高額査定で売却依頼を受けた会社が、強引に専任での契約を押し切ってきたり、レインズからの申込みも売り主に無断で断っていたりするように、他の会社を寄せ付けず、売却の機会損失をおこないます。

複数物件まとめて詐欺

A物件、B物件、C物件の3軒の合計で6000万円という約束でそれぞれと売買契約。その後、安い方のAB2件は合計3500万円で売却できましたが、C1件2500万円がキャンセルにあったといわれ、売れ残ってしまいました。そもそも、最初からC2500万円の申し込みはなく、AB物件を安く買うために、C物件を合わせることで売却価格を高くみせることが目的だったものです。

売買契約と媒介契約を誤認させる

不動産会社に媒介売却の依頼をしたつもりが、売買契約にサインさせられているという手法。他の会社にも依頼をして、高値を追求したかったのにできなくなってしまいます。

警戒すべき不動産会社の特徴

詐欺をおこなう悪徳業者にはいくつか特徴があります。その特徴を把握して、危険な兆候を見逃さないようにしましょう。

強引な営業スタイル

「とりあえず会いましょう」と顧客の都合を一切考えず強引に迫り、ファミレスで缶詰にされ、長時間の説得で急激な決断を迫ってくるような営業マンは注意が必要です。
断っても電話を切ってくれないような傾向が営業にみえたら、警戒した方がよいでしょう。

断れない、気持ちの優しいお客様を探いているのです。

不動産業の免許がない

宅建免許がないまま販売委託の形式で不動産売買にかかわることはできません。不動産免許なく不動産を仕入れや転売する行為はそもそも違法になります。契約の直前で、関連会社の名前で取引をするなど、変更があった場合には注意が必要です。そのような業者は、取引後に責任をとることはありません。

ホームページに代表者・社員の写真がない

オンライン上での取引が当たり前の時代に、自社のホームページに代表者や社員の写真がない会社も一度疑ってみるべきでしょう。なぜかというと、違法な行為をしているので社員の出入りが多く安定しない。違法な活動をしているので顔を出せないからです。

物件情報や取引相手を明確に表示しない

自社の物件情報や取引相手の事例を紹介できない業者は、実際に販売用の物件が仕入れられていないので、資料がそろっていない可能性があります。また、高値で探している優良な買主がいない証かもしれません。いずれにしろ、根拠となる情報が提供できないので、信用の構築ができないと判断してください。

代表者が定期的に変わる

代表者が頻繁に変わる会社は、出資者が別に存在している可能性があります。トラブルがある度に別の会社を作る、長く続けるつもりがないなど、コンプライアンスに問題があるケースも見受けられます。

悪徳業者の詐欺を防ぐ対策

悪徳業者は不当に利益を得ようとあらゆる手を使ってきます。詐欺行為を見抜くためには、なによりも正しい知識や情報を得ることが重要です。

不動産投資の仕組みを勉強する

まず一番大切なことは、不動産投資に対する正しい知識を持つことです。WEB、本、セミナーなどで情報収集をまめにおこないましょう。慌てて不利な契約を結ばないように、売買の決定前にはまとまった時間を作ることも大切です。学んだ知識はリスクを避け、利益の源泉になります。

納得できるまで質問する。

非常に高額な取引になる不動産投資で、相手側に遠慮をしてはいけません。個人的な感情ではなく、ドライに投資としてのリターンを勘定して理屈で考えましょう。営業パーソンの熱意に惑わされてもいけません。それが、自分の成績のための熱意か、お客さんのためのものなのか冷静に見極めましょう。

セカンドオピニオン

購入も売却も冷静に判断するために第3者の客観的な視点が必要です。シミュレーションや物件査定額など、別の不動産業者への相談も積極的におこなっていきましょう。自分では問題がないと思っていても、見落としているリスクがあるかもしれません。投資としてリスクとリターンの見合いがとれているかなども確認しましょう。

物件の適性相場を調べる

業者から提示された価格・家賃が適切な提案なのかを判断するために、あらかじめ物件サイトで相場を調査しておきましょう。

どんな方が騙されやすいのか

ワンルームマンション投資詐欺の被害にあいやすい方にも特徴があります。その傾向が自分自身に当てはまる場合は特に注意しましょう。

30~40代独身

30〜40代の独身の方は特に注意が必要です。その年代で独身の方は、配偶者に反対されることがないため、客観的な判断ができないことがあります。近年では本業以外でも資産形成をする副業を推進する風潮もありますので、興味関心が向きやすいのです。
まだ自宅を購入していない方も多く、ローンの枠が残っているため、購入するハードルが低く、狙われやすいでしょう。

公務員・上場企業の会社員・医者

公務員や上場企業の会社員、医者などは社会的な信用がありローンが通りやすく、収入も安定しています。職業的にも安定したエリートが多いため、自分で事業をしたことや、投資の知識が無い方も少なくありません。そのような方は金銭的にも余裕があり、自分の職業以外の経験が貧しいため、巧みな悪徳業者の誘いに乗ってしまうことがあります。

その他、ご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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