内縁解消による清算

author:弁護士法人AURA(アウラ)
ハート

内縁解消による清算

内縁解消による内縁関係の清算は,離婚による婚姻関係の清算と同じです。

  

財産分与

① 離婚と同じ

一般的に,内縁関係については,婚姻の規定が類推適用されます。
内縁解消の際の2人の財産の清算については,財産分与規定が類推適用されます。
内縁関係により両者で築いた財産(二人の財産)があれば,どちらの名義であろうと2人で分ける必要があります。

重婚関係にあったケースにおいてですら,法的保護を躊躇しつつも,財産分与の類推適用が認められています。

離婚時の財産分与の調停,審判について内縁解消の際にも利用できます。

② 内縁者との死別


<事例>

AとBが内縁関係にありました。
Aが死亡しました(死別)。
→Bは財産分与を受けることはできず,Aの相続人に財産が承継されます。

内縁の場合であっても相続規定についてまで類推適用などはできません。

③ 内縁解消後における一方の死亡

〈事例〉

AとBが内縁関係にありました。
AとBは内縁を解消しました。
Aが死亡しました。

→この事例において「財産分与」をどうするかについて問題になります。
複数の解釈が考えられます。

慰謝料


詳細は,離婚(内縁解消)後の財産分与

① 内縁解消について,いずれか一方に責任がある場合,精神的苦痛に対する損害賠償として慰謝料が発生します。

離婚に伴う慰謝料請求については,家事事件として家庭裁判所で扱いますが,内縁解消に伴う慰謝料請求については通常の民事訴訟として地方裁判所(または簡易裁判所)の管轄となります。

② 慰謝料の法的構成

内縁解消の経緯・理由によっては慰謝料が発生します。
内縁破棄の法的構成としては,婚姻の約束(婚約)を破棄したのと同様に考える見解(債務不履行の一種)と離婚と同様に考える見解(不法行為の一種)があります。

いずれにしても合理的な理由のない一方的なものであれば,損害賠償請求権が発生します。
損害の内容としては,精神的苦痛に伴う慰謝料請求が主なものとなるでしょう。他にも個別的な損害が生じていれば,これも損害賠償請求の内容となります。
このような考え方は,離婚の場合と同じです。

③ 慰謝料の相場

平均的な慰謝料額は100万~300万円ですが,個別的事情で大きく異なることもあります。慰謝料が1000万円と認められた裁判例もありますが,これは特殊な場合で,平均的には離婚の場合より若干低めという感じです。

不貞行為が原因で別れるなど,他にも関与していた人への慰謝料請求もありえます。内縁関係を知った上で不貞行為に及んだ不貞相手への慰謝料請求です。

養育費

2人の間に子供が誕生していれば,引き取った方は,相手方に子供の扶養費用として養育費を請求できます。家事調停の利用も出ます。内縁の関係を終わらせ,母が子を引き取った場合における養育費について説明します。最初から父親が認知していれば特に問題はありません。離婚の時と同じように養育費の請求ができます。認知されていない場合は,法的には父と子の間の親子関係はないものとして扱われます。
父親が認知に応じない場合は,最終的には,訴訟において強制的に認知(強制認知)を行うことができます。
いずれにしても,父と子の間に親子関係が認められれば,子供を引き取った母親から父親に養育費の請求ができます。
養育費の相場については,一般の夫婦の場合と同様です。詳細は,https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

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