高齢者詐欺被害の現状
特殊詐欺とは
特殊詐欺の認知件数
警察庁・SOS特殊詐欺対策ページによると,2021年(令和3年)の特殊詐欺の認知件数は14,498件、被害額は282.0億円です。被害の多くは東京をはじめ,主要大都市が中心となっています。
その手口別に見てみると,「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」の認知件数は8,118件、被害額は160.7億円で、総認知件数に占める割合は56.0%となっています。
最新の統計情報はこちら:特殊詐欺発生状況(警察庁・SOS特殊詐欺対策ページ)
特殊詐欺の現状
警察庁の令和3年における特殊詐欺の認知・検挙状況等についてによると,65歳以上高齢者の被害認知件数は12,724件で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合(高齢者率)は88.2%と非常に高い割合になっています。また、65歳以上の高齢女性の被害認知件数は9,907件で、法人被害を除いた総認知件数に占める割合は68.7%でした。
特殊詐欺の種類
オレオレ詐欺
親族などを名乗り、仕事に関するトラブル等を口実にお金をだまし取る手口です。
子どもや孫のふりをした犯人から電話がかかってきて、最初に「風邪をひいた」「喉の調子が悪い」などと言って、声が違うことを不自然に思われないようにします。そして「携帯をなくした(盗まれた・壊れた)」と言って、電話番号が変わったと思い込ませます。再び犯人から電話があり、迫真の演技で「会社のお金が入ったカバンを落としてしまった」「会社のお金を使い込んでしまった」「今日中に支払わないと会社をクビになる」などの理由をつけ、すぐにお金が必要だと言います。
指定口座にお金を振り込ませるほか、会社の同僚等を名乗る犯人が現金やキャッシュカードを受け取りにくる場合もあります。
預貯金詐欺
自治体や税務署の職員等を名乗り「医療費などの払い戻しがある」などと言って、キャッシュカードの確認・取替が必要だと信じ込ませた上で暗証番号を聞き出し、自宅を訪れてキャッシュカードをだまし取る手口です。
警察官や銀行協会職員等を名乗り「あなたの口座が犯罪に利用されている」と言う場合や、百貨店や家電量販店の店員等を名乗り「あなた名義のキャッシュカードで買物をした犯人がいる」と言う場合もあります。
キャッシュカード詐欺盗(窃盗)
警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員と偽って電話をかけ、「キャッシュカードが不正に利用されている」「預金を保護する手続きをする」などと言ってキャッシュカードをすり替えて盗み取る手口です。
電話で説明した後に、警察官や銀行職員になりすました犯人が「キャッシュカードの確認に行く」などの名目で自宅を訪れます。そして、隙を見て偽のカードと本物のカードをすり替え、口座から現金を引き出してしまいます。
架空料金請求詐欺
有料サイトや消費料金等について、メールやハガキ(封書)で「未払いの料金がある」などと知らせて金銭等をだまし取る手口です。
携帯電話に「サイトの料金が未納です」「このままでは裁判になります」のような内容のメールが届いたり、法務省や裁判所などの名称でハガキが届いたりします。
不安になって記載された電話番号に電話をかけると、「裁判を取り下げるため」などと言って実際には使用していない料金を支払わせようとします。
「コンビニで電子マネーカード(プリペイドカード)を買って番号を教えて」などと言ってくる場合もあります。
金融商品詐欺
価値が全くない未公開株、高価な物品などについて嘘の情報を教えて、購入すればもうかると信じ込ませ、その購入代金として金銭等をだまし取る手口です。
未公開株や社債などへの投資や商品購入に関するパンフレット、ハガキ、SMSが突然届いた後、犯人から電話がかかってきます。
「興味がない」と電話を切っても、勝手に購入したことにして解約料を要求してくることもあります。
ギャンブル詐欺
雑誌やインターネット記事、電話、メール等で「パチンコ、パチスロの必勝法」「公営ギャンブルの必勝法」「宝くじの当選番号」などを教えると持ちかけ、会員登録等を申し込んできた人に登録料・情報料を支払わせて金銭等をだまし取る手口です。
交際あっせん詐欺
雑誌やメールに「女性紹介」などと記載し、申し込んできた人に会員登録料金や保証金等の名目で金銭等をだまし取る手口です。
その他の特殊詐欺
上記の類型に該当しない特殊詐欺のことです。
高齢者詐欺被害の種類
- 電話勧誘販売
- 家庭訪販
- インターネット通販
- かたり商法(身分詐称)
- 劇場型勧誘
- ワンクリック請求
- 無料商法
- 還付金詐欺
- 次々販売
- 訪問購入
- 商品事故、危害・危険、商品テスト結果
- その他商法・手口
電話勧誘販売
販売業者が消費者宅や職場に電話し、商品やサービスを販売する方法
強引な勧誘や身分を偽っての勧誘、虚偽説明や説明不足などの問題も多く報告されています。
例えば・・・ |
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「保険金を使って住宅を修理しませんか?」 |
「老人ホームの入居権を買いませんか?」 |
「光回線をアナログ回線に戻せば安くなる」など |
家庭訪販
販売業者が消費者宅を訪問し、商品やサービスを販売する方法
消費者が要請していないにもかかわらず、販売業者が家庭を訪問し、消費者を勧誘するケースがほとんどです。強引な勧誘や長時間に及ぶ勧誘、虚偽説明、説明不足などの問題もみられます。
例えば・・・ |
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貴金属の買取 |
リフォーム工事 |
点検商法 |
インターネット販売
オンラインショッピングなど、インターネット等のネットワークを利用して行われる取引
出会い系サイトなどの有料サイトなどのサービスも含めてインターネット通販とされています。無料だと思いアダルト情報サイトなどに登録したあと,料金を請求や利用した覚えのないサイト利用料を請求されたなどが代表的な事案です。
詳しくはこちら↓
国民生活センター:60歳以上の消費者トラブルの変化と実態-インターネット等も利用するアクティブシニアのトラブルが増加!-
かたり商法(身分詐称)
販売業者が有名企業や、市役所、国民生活センター、消費生活センターなどの公的機関、適格消費者団体の職員、またはその関係者であるかのように思わせて商品やサービスを契約させる商法
例えば・・・ |
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日本年金機構における個人情報流出に便乗した不審な電話 |
医療費の還付金の手続きをする」「税金の還付金がある」など |
マイナンバー制度に便乗した不審な電話等 |
ワンクリック請求
サイトなどにアクセスしたところ、いきなり「登録ありがとうございます」などと表示され、高額な料金を請求するという手口
例えば・・・ |
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アダルトサイト |
突然現れたパソコンの警告表示 |
無料商法
「無料サービス」「無料招待」「無料体験」「無料で閲覧」など「無料」であることを強調して勧誘し、最終的に商品やサービスを購入させる商法
詳しくはこちら↓
国民生活センター:投資経験の乏しい者に「プロ向けファンド」を販売する業者にご注意!
商品事故、危害・危険、商品テスト結果
詳しくはこちら↓
国民生活センター:60歳以上の女性の美容医療トラブルが高額化!-しわ取り注射で1,300万円もの請求
国民生活センター:エアーベッドの空気漏れに注意
国民生活センター:眼鏡型の拡大鏡による見え方-視力・老眼等を矯正できるものではありません
還付金詐欺
市役所等の自治体、税務署や社会保険事務所などの職員を名乗り、医療費や税金等を還付する手続きであるかのように装い、お金をだまし取ろうとする詐欺
詳しくはこちら↓
国民生活センター:ATMを操作しても還付金はもらえません!!
訪問購入
消費者の自宅など、営業所等以外の場所において、購入業者が売買契約の申込みを受け、または売買契約を締結して物品等を購入する手口
詳しくはこちら↓
国民生活センター:不用品を買い取ると言ったのに貴金属を買い取られた!!-終活の一環!?
被害を防ぐために
- 電話を受けても動揺しない
- 家族で話し合っておく
- 誰かに相談する
- 留守番電話を活用する
国民生活センターで示されている財布を守る秘訣が紹介されています
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